マッチムーブとは?
マッチムーブ(Match Move)は、映像の合成における技術のひとつ。「動きを合わせる」という意味のデジタル合成用語。
たとえば、Aという映像がカメラが動いて撮影されているとする。
そこにBという素材を合成するとなると、BもAと同じカメラの動きをしなければ不自然になる。
これを解決する手段・技術のひとつがマッチムーブである。出典 : Wikipedia
つまり、動いている実写素材に違和感なく合成しようというのがマッチムーブです。
今回はそのマッチムーブをしてみようという記事です。
素材を用意して、トラッキングをしてみよう
まずはその素材がどういう動きで撮影しているのかを解析する必要があります。
その解説することをトラッキング、モーショントラックなどと呼ばれます。
手動で行うこともできますが
AfterEffectsでは標準機能で3D カメラトラッカーという自動解析エフェクトが付属しているので、今回はその機能を使用します。
素材を用意する
合成する元になる映像がなければ、合成もできません。
今回はドローンで撮影した映像素材を用意しました。
素材は PIXEL VIDEOS 様からお借りしました!
AfterEffectsに読み込みましょう!
素材と同じコンポジションサイズで素材を配置する
3Dカメラトラッカーを利用する前に、素材とコンポジションのサイズは同じにする必要があります。
今回の素材は4K画質でしたが、そこまでの画質を求めていないのでFHDにリサイズして利用することにしました。
その際このようにコンポジションのサイズと、素材のサイズが違った場合は一度プリコンポーズを行うことで3Dカメラトラッカーが利用可能になります。
プリコンポーズでレイヤー構造を整理しよう!また同様に既にエフェクトを使用している素材などは、1度プリコンポーズする必要があります。
トラッキング(解析)を行う
タイムラインにある解析したいレイヤーを選択して、トラッカーウィンドウにある 3Dカメラ をクリックします。
すると自動的に解析が開始しますので、しばらくおまちください。
この解析時も他のコンポジションやエフェクトなどの調整が可能ですが、負荷がかかるのであまりオススメはしません。
素材によっては解析に数十分かかる場合がありますが、気長に待ちましょう!
解析が終了すると、素材にこのようなマークが出てきます。
これが出てないときはエフェクトのカメラトラッカーを選択してみてください。
テキストを合成しよう!
今回はこの素材にテキストを合成してみたいと思います。
カメラレイヤー、テキストレイヤーを作成する
解析したカメラデータを使って、カメラレイヤーを作成します。
AE上でカメラを配置? カメラレイヤーとは?マークを右クリック、もしくは円のようなものが出たときに右クリックを行うことで、テキストレイヤーを作成することができます。
これと同時にカメラレイヤーも生成されます。
テキスト以外にもヌルオブジェクトレイヤーを作ったり、カメラレイヤーのみ作成することもできます。
テキストではないものを合成する際はヌルオブジェクトレイヤーを生成すると円滑かと思います。
文字を追加してみよう! テキストレイヤー
テキストレイヤーを調整しよう
このままでは大きすぎたり、思ったようなテキストではない場合が多いですので
好きなテキストに変更して、向きなども調整しましょう!
テキストレイヤーは3Dレイヤーなので、X軸、Y軸、Z軸の回転や位置を調整する必要があります。
奥行きがあるレイヤー 3Dレイヤーについてアニメーションの基本! トランスフォームを使いこなそう!
今回はこのようにサイトのロゴテキストを配置しました。
再生してみて、しっかりマッチムーブできていれば完成です!
トラッキングできない素材は、いくつかの理由があります。
- 映像の画質が低く、トラッキングポイントを見つけられない。
- ブラーなどの効果がかかっている素材。
- フレームレートが変動してしまっている素材。
- ゲーム映像などでインターフェイスがたくさん描写されている場合。
ほかにも要因はありますが、概ね素材自体の状態が原因となることが多々あります。
合成する前提の撮影の際には、シャッタースピードや撮影フレームレートをしっかりと設定することが大切です!
他のオブジェクトを合成してみよう!
3Dスイッチをオンにすれば、ほとんどの素材を合成することができます!
奥行きがあるレイヤー 3Dレイヤーについていらすとやさんからお借りしたヘリコプターを合成します。
この時点で違和感がない場合がありますが、今回はテキストの位置をコピーペーストします。
これで、先程のテキストと同じ位置にヘリコプターを合成できました。
あとは再生して違和感がなければ、完成です!
と、ここで終わってしまう前にすこし味付けをしましょう。
簡易ですが影とヘリコプターを少し動かしてみました。
イラストでも影や動きをつけることで、クオリティがあがります!
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